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代表挨拶

   私は20年以上、国内および外資系製薬企業で医薬品の研究開発に従事して参りました。その間、幅広い疾患領域の開発に携わり、数多くの医薬品の承認取得の機会に恵まれたのみならず、米国の開発拠点でも医薬品開発の実務経験を積ませて頂くことができました。これまでに培った経験を活かして、大きな製薬企業ではカバーされないようなニッチなエリアを対象に研究開発を進めている企業や学術機関を支援したいと思い、一念発起してビジネスを興すことにしました。その背景についてご紹介させて頂きます。

 

   この20年で医薬品開発の環境は大きく変わりました。今まさに、更なる転換期を迎えていると思います。医薬品の開発の成功確率は年々低下の一途を辿り、医薬品の研究開発費の大半を占める臨床ステージにおける費用は数倍に高騰しています。世界の医療・医薬品産業は、グローバル企業の企業再編によって、世界的な保健衛生の向上を考える時代に突入しています。名門研究所は次々と閉鎖され、多くの製薬企業はオープンイノベーションへ舵を切り、学術機関やバイオベンチャーのような、小さくても優れた治療技術を持ったパートナーとのコラボレーションが主流になりつつあります。最近注目を浴びている遺伝子治療のような革新的かつポテンシャルの高い技術は、学術機関やバイオベンチャー発のイノベーションです。

 

   私は最近まで希少疾患治療のための医薬品開発に従事していました。最近再び注目を浴びている遺伝子治療は、遺伝性疾患の予後改善や患者さんのライフスタイルを大きく変える可能性を秘めています。遺伝性疾患の多くは希少疾患と言われ、患者数が極めて少ない特徴を有します。患者数が少なく疾患自体あまり知られていませんから研究者や専門医の数も少なく、よくわからないことが多いのが実際のところです。患者さんが明らかに違和感や症状を訴えているのに、診断されるまでに何年もかかったケースもあると言われています。希少疾患は世界に7000種類もあると言われていて、そのうちのたった5%にしか治療薬がない状況で、そのほとんどは対症療法と言われています。わからないことだらけの希少疾患治療のための研究開発は非常に大きな困難を伴います。従いまして、研究開発を効率的に進めていくためには、世界規模での研究機関、製薬企業、行政機関、患者団体とのコラボレーションがカギとなります。一口にコラボレーションと言っても実際には「行い難し」です。理想的なコラボレーションを実現するためには、医療福祉やチーム医療でも注目されている専門職種間のチームでの協働(インタープロフェッショナルなアプローチ)を追求する必要があるのではないでしょうか。

 

   株式会社インタープロフェッショナルは、医薬品開発のコンサルテーションを基本的な事業の柱としています。これに加えて、医薬品開発のスピーディーなプロジェクト進行やプロジェクトの成功に不可欠なプロフェショナルチームの強化支援、またプロフェッショナルチームに所属するメンバーの育成を重点事業とすることを掲げ、2018年2月28日に誕生しました。2月28日は世界希少・難治性疾患の日です。世界中で希少疾患や難治性疾患の啓発活動が、行われています。私たちは、治療薬の少ない希少疾患の患者さんのスペシャルサポーターとして希望を届けたいと強く願ってやみません。また「女性・ベテラン世代を社会変革の原動力に!」をスローガンに、会社運営を通じて、我が国の社会問題に対しても微力ながら貢献していきたいと考えています。多くの皆様との協働の機会を心よりお待ちしております。

 

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代表取締役社長    冠 和宏